That's J30 series
クラシカルな風貌と、現代でも通用する実用性がファンを惹きつけるJ30系。
写真は、2.6リッター直4ガソリンを搭載するJ37最終モデル。


脱・作業車を狙ったジープ・ワゴン

 ウイリス4×4ワゴンの流れを汲むCJ3B-J11の後継車が、このJ30系である。ジープが持つオフロード走破性に、居住性と荷役性をプラスすることを狙いとしたモデルで、初期型のカタログでは、多目的な「デリバリ・ワゴン」と謳われていた。

 直線基調の他のジープとは違って、外観のデザインには、要所要所に曲線が使われ、また、ウイリス・ワゴンからの伝統であるボディー・サイドのバスケット・ウェーブと呼ばれるプレス・デザインも継承された。

 作業車のイメージを拭い去り、他のジープたちとの差別化を図る努力は、内装の各所にも多く見られる。天井は、当時の高級乗用車によく見られた“吊り天井”が採用され、テールゲートを含む全てのドアと荷室には、内張りが施されている。インパネは鉄板むき出しではなく、ビニールレザーが張られ、ダッシュボード上には保護パッドを装備。スライド可能なフロント・ベンチシートと、シリーズ唯一の前向きリアシートにより、6名+荷物の運搬を可能とした。

 また、よりパーソナル指向の強いBタイプでは、フロントのセパレート・シートにリクライニング機構が備わり、ジープとしては非常に画期的な仕様であった。

 このように、脱・作業車がキーワードであったJ30系だが、実際の納入先は、建設業や官公庁が多く、メーカーがターゲットとした個人ユーザーの間には、なかなか定着しなかった。“ワゴン”を意識したと言っても、やはり、ジープであることに変わりはなかった、ということだろう。

 長いリアのオーバー・ハングやホイールベースの長さにより、クロカン性能では他のジープに一歩譲るが、手の加え方によっては、そこそこの戦闘能力を発揮する。いっぽう、荷室にスペアタイヤが置かれるため、同じシャーシーを持つJ40系よりカーゴ・スペースは狭かった。

 絶版となった現在、そのクラシックな外観や実用性を好むファンは増えており、全国規模のワンメイク・クラブも存在する。

モデル名 使用燃料 総排気量 エンジン型式 乗車定員+最大積載量
J30 ガソリン 2,199cc JH4型 6名+250kg(2ドア)
J30-A ガソリン 2,199cc JH4型 3名+400kg/6名+250kg
J30D ディーゼル 2,199cc KE31型 3名+400kg/6名+250kg
J36 ディーゼル 2,659cc 4DR5型 3名+400kg/6名+250kg
J36B ディーゼル 2,659cc 4DR5型 2名+400kg/5名+250kg
J34 ガソリン 2,315cc KE47型 3名+400kg/6名+250kg
J38 ガソリン 2,384cc 4G53型 3名+400kg/6名+250kg
J37 ガソリン 2,555cc G54B型 3名+400kg/6名+250kg
J37B ガソリン 2,555cc G54B型 2名+400kg/5名+250kg
※型式名のうち、Dはディーゼル車、Aは「Aタイプ」、Bは「Bタイプ」を表す。

他のジープにはない保護パッドやビニールレザーに被われたJ30系のインパネ。“ワゴン”であることを主張している。

 
標準仕様はベンチシート/コラムシフト(左)。セパレートシート/フロアシフト仕様(右)は、個人ユーザー向けのBタイプ。


写真はJ36Bの車内。このセパレートシートは、ジープ・シリーズで唯一リクライニング機構を備えたシートだった。


J36後期型とJ37には、 本ワイパーが装備された。通常の右ハンドル車とはワイパーの払拭方向が逆なので、運転席側に死角ができる。
Bタイプのリア・ウインドゥには、曇りを除去するリア・デ・フォッガーが装備される。30系のウインドゥ類は曇りやすく、湿度の高い時には便利な装備である。


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