POWER TRAIN
シンプルでも機能を優先

パワートレインのレイアウトはオフセットドライブ式を採用

 ジープのパワートレインは、オフロード4×4用として設計されため、タフで動力伝達能力の高いオフセットドライブ方式が採用されている。

 オフセットドライブは、写真を見ても分かるとおり、エンジンから出力された回転力がトランスミッションを通ってトランスファーにたどり着き、右側にオフセットされて、リアまたはリア&フロントのプロペラシャフトに流れる機構のものをいう。この機構は構造が単純で、それゆえに耐久性が高く、強度が上げやすい。またフロントアクスルはフレームセンターからプロペラシャフトがオフセットされるため、ディファレンシャルハウジングがエンジンのオイルパンと干渉しにくく、縮み側のサスペンションストロークが大きくとれるのだ。

タイヤ&ホイール
タイヤ&ホイール
タイヤ&ホイール
J55のタイヤは、チューブ入り215R15で6プライのものが採用されている。外径722mmのタイヤは、通常のオフロードならば何の不自由も感じないが、荒れた地形に進入する際はシャーシーの下回りをぶつけないよう注意が必要だ。またオンロード性能と静粛性、ロングライフなどを考慮してチョイスされたタイヤは、純粋なオフロード向きとは言えない。極端にオフロード側に性能を振ると、オンロード性能が犠牲になるので、現代のジープとしては苦渋の選択なのだ。ホイールはボディーカラーと同様のウラルベージュが塗られ、スチール製のスタイルドホイールを質感のあるものにしている。サイズは15×5.5Kでオフセット+17mm、P.C.D.139.7mm。

シフトレバー類
フロアからは3本のレバーが生える。左からトランスミッションレバー、2×4/4×4切り替えレバー、Hi・Lo切り替えレバーの順。オプション設定されていたPTOウインチを装着すると、さらにもう1本PTOの断切レバーが増設され、計4本となっていた。レバーの操作感は節度感のあるカチッとしたもので、ジープらしさを感じさせる。

トランスミッション&トランスファー
エンジンからアウトプットされた出力は、乾燥単板油圧式クラッチを介してトランスミッションに伝達され、トランスファーを通してプロペラシャフトに伝達されるのだ。J55に搭載されているトランスミッションは、V4M22型の前進4速後退1速タイプで、1速から4速までフルシンクロ化されている。

アクスル(フロント&リア)
全浮動式が採用されたフロントアクスルは、オフセットドライブ方式を採用したドライブトレインのため、ディファレンシャルキャリアが右にオフセットされている。ディファレンシャルは最終減速比4.777のハイポイドギアを採用。またリアアクスルは半浮動式が用いられている。

プロペラシャフト
ショートホイールベースでセンターブレーキ付きのため、短めのプロペラシャフトが装着される。リアは外径75mmと太く、内径も71.8mmと充分な強度を持っている。ちなみにフロントのプロペラシャフトは、外径34mm、内径27.4mmとリアと較べると細身だ。ただし、本家のジープ(特にCJ-5と7のプロペラシャフトは細い)がプロペラシャフトをネジ切ってしまった話はよく聞くが、三菱ジープの事例はほとんど聞いたことがない。

クラッチレリーズシリンダー
J55のクラッチレリーズシリンダーは、構造上フレーム下に突出している。そのためシリンダーをガードするためスキッド性を持たせたカバーが装着される。最低地上高は210mm、ランプブレークオーバーアングル31度と充分クリアランスを確保しているJ55の場合、極悪な地形に行かない限りこのガードの恩恵を実感することはない。

パワートレイン(各部)
クラッチ
仕様 クラッチ操作方式 油圧式
クラッチディスク形式 乾燥・単板式
クラッチディスクサイズ mm
240×150
クラッチカバー方式 ダイヤフラムスプリング式
クラッチマスターシリンダーサイズ mm
19.05
レリーズシリンダーサイズ mm
20.64
整備基準値
クラッチペダルの高さ mm
302
クラッチペダルのがた mm
1〜3

クラッチペダルの遊び
(含むピストン部のがた)

mm
40〜45

クラッチが切れたときの
ペダルとトーボードとのすきま

mm
50以上
給油脂 項目 銘柄 容量
クラッチフルード

三菱純正ダイヤクイーン
ブレーキフルード スーパー4

適量
マスターシリンダープッシュロッドAss'y ラバーグリース 適量
ピストンAss'y
ブーツ
レリーズシリンダープッシュロッド 協同油脂モリコートBR-2プラス 適量
レリーズフォーク


マニュアルトランスミッション
仕様 トランスミッション型式 V4M22
駆動方式 パートタイム4WD
トランスミッション型式 前進4段・後退1段・常時噛合式
変速比 1速 3.300
2速 1.795
3速 1.354
4速 1.000
後退 3.157
トランスファー形式 ハイ:常時噛合式、ロー:選択しゅう動式
変速比 ハイ 0.903
ロー 2.306
給油脂   容量dm3{リットル} 銘柄
トランスミッション 1.7{1.7}

三菱純正ダイヤクイーン
マルチギヤオイル
SAE 75W/85W(GL-4)

トランスファー 1.6{1.6}


ホイール・タイヤ
整備基準値 項目 限度値 備考
タイヤ溝の深さ mm
1.6  
2.4 LTタイヤの高速走行時
ホイールの振れ mm
円周方向 1.2以下  
横方向 1.2以下  


フロントアクスル


アクスル支持方式 全浮動式
ドライブシャフト ジョイント形式 バーフィールド ボールジョイント
長さ mm
右側 580
左側 907
ホイールベアリング 形式 テーパーローラーベアリング×2
寸法(外径×内径) mm
73.025×41.275

フロント
ディファレンシャル

減速機ギヤ形式 ハイポイドギヤ
減速比 4.777
差動機ギヤ形式 ストレートベベルギヤ
歯数 ドライブギヤ 43
ドライブピニオン 9
サイドギヤ 14
ピニオンギヤ 10

ベアリング
(外径×内径)

mm 

サイド 76.200×41.275

ドライブピニオン
フロント

68.262×30.162

ドライブピニオン
リヤ

76.200×36.512





項目 標準値 限度値 備考
トーイン mm
2〜4  
キャンバー 1゜30'±30'  
キャスター

3゜00
(+30'、-1゜)

 

フロントアクスル
総合バックラッシュ

mm
11 マニュアルフリーホイールハブ非装着車
14 マニュアルフリーホイールハブ装着車
ドライブシャフト軸方向の遊び mm
1.1  
フロントホイールベアリングのがた mm
0.05以下  
ナックルの起動トルク N{kgf}

26〜39
{2.7〜4.0}

 
ドライブギヤのバックラッシュ mm
0.13〜0.18  
ドライブギヤの背面の振れ mm
0.05  

ディファレンシャルギヤの
バックラッシュ

mm
0〜0.076 0.2  

ドライブピニオンの
回転トルク

Nm{kgfcm}

0.8〜1.3
{8〜13}

 



項目

容量 dm3
{リットル}

銘柄
ギヤオイル 1.3{1.3} 三菱純正ダイヤクイーン ハイポイドギヤオイル(GL-4)


リヤアクスル


アクスル支持方式 半浮動式
アクスルシャフト
長さ mm
右側 540
左側 750
ホイールベアリング 形式 テーパーローラーベアリング×2
寸法(外径×内径) mm
73.025×38.100

リア
ディファレンシャル

減速機ギヤ形式 ハイポイドギヤ
減速比 4.777
差動機ギヤ形式 ストレートベベルギヤ
歯数 ドライブギヤ 43
ドライブピニオン 9
サイドギヤ 10
ピニオンギヤ 14

ベアリング
(外径×内径)

mm 

サイド 82.931×42.875

ドライブピニオン
フロント

68.262×30.162

ドライブピニオン
リヤ

76.200×36.512





項目 標準値 限度値
リヤアクスル総合バックラッシュ mm
5
アクスルシャフト軸方向の遊び mm
0.025〜0.153
リテーナーの圧入力N{kgf} 初期圧入力 39,000{4,000}
最終圧入力 59,000{6,000}
リテーナーとスナップリングのすきま mm
0〜0.166
ドライブギヤのバックラッシュ mm
0.13〜0.18
ドライブギヤの背面の振れ mm
0.05
ディファレンシャルギヤのバックラッシュ mm
0〜0.076 0.2
ドライブピニオンの回転トルク Nm{kgfcm}
0.8〜1.3{8〜13}



項目

容量 dm3
{リットル}

銘柄
ギヤオイル 1.7{1.7} 三菱純正ダイヤクイーン ハイポイドギヤオイル(GL-4)


プロペラシャフト


フロントプロペラシャフト 形式 2ジョイント プロペラシャフト
寸法(長さ×外径) mm
642×34
リヤプロペラシャフト 形式 2ジョイント プロペラシャフト
寸法(長さ×外径) mm
518×75





項目 標準値 限度値
プロペラシャフトの振れ mm フロントプロペラシャフト 0.38
リヤプロペラシャフト 0.6
スナップリング溝とスナップリングのすきま mm
0.06以下



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