SUSPENSION SYSTEM
オフロードで威力を発揮するリ−フ・リジッド

リーフスプリングは45mm幅から60mm幅へ

オフロード走行 三菱ジープを語る上で忘れてはならないのが、1978(昭和53)年に行われた大幅改良(77.5型モデル)であろう。ボディー(リアボディーサイズアップ:長さ100mm/幅90mm延長)、前後アクスル(トレッドの拡大:1,235mm→1,300mm)、ステアリング(カムレバー式→ボールナット式)、そしてこの項で紹介するサスペンションと、大々的にメスを入れられたのである。

 77.5型モデル以前の三菱ジープは、MB/GPWから受け継がれてきた45mm幅のリーフスプリング(ストレートスパン:フロント921mm/リア1,067mm)を採用していた。また、シャックルは通称「コの字シャックル」と呼ばれる片持ち式タイプであった。これが77.5型モデルでは、リーフスプリングの幅がフロント60mm(ストレートスパン980mm)、リア70mm(ストレートスパン1,169mm)となり、特徴的だった片持ち式のシャックルも廃止されたのだ。

リーフ・リジッドは旧態依然としたサスペンション形式か

 現在、クロカン4×4のサスペンションはコイル・リジッド、ダブルウィッシュボーン、マクファーソンストラットなどが主流になり、三菱ジープと同じ前後リーフ・リジッドを採用する国産クロカン4×4は、たった1車種しかない。果たして、リーフ・リジッドは旧態依然としたサスペンション形式なのだろうか? もちろん、乗り心地を考えると板間摩擦が発生するため不利になる(リーフとリーフの間にスペーサーを挟むことで、ある程度は解消できるが…)。しかし、丈夫で部品点数が少なく、スペースも取らないというメリットもあるのだ。また、リーフの枚数を変更することにより、バネレートを自由に調整できるのも魅力である。総じて言えば、リーフ・リジッドはオフロードでよく動く脚を作りやすく、本格派クロカン4×4に向いたサスペンション形式なのだ。

悪路走行

フロントサスペンション
フロントサスペンション
リアサスペンション
リアサスペンション

サスペンション
国産4×4車では貴重な存在になってしまったリジッドアクスル式リーフスプリングだが、走破性や耐久性などの信頼度は高く、リーフでなくてはダメだという熱狂的なファンも多い。特にこのJ55のリーフスプリングは、スパンを長めにとり、耐久性と長いホイールストローク及びソフトライド化を実現している。

リーフスプリング
リーフスプリングは前後とも6枚のリーフが組み合わされたタイプだが、仕様は前後全く違い、車重配分などに適応させたセッティングがなされている。フロントリーフは60mm幅でリアより10mm狭く、親リーフから4枚は6mm厚、それ以下の2枚に5mm厚のリーフが採用されている。またリアリーフは70mm幅で全て6mm厚のリーフで組まれている。なお、リーフ同士の板間摩擦を低減させるために、各リーフ両端部分にスペーサーが挟み込まれ、スムーズなリーフの動きを助けている。スプリングの配置は、フロントがフレームの下に位置するのに対し、リアはフレームから外側にハンガーを延ばして装着されている。

シャックル&ブッシュ
リーフスプリングとフレームを結びながら、スプリングの伸縮を吸収するシャックルは、厚みのある強固なプレートが採用されている。なおブッシュは柔軟なラバータイプが用いられ、振動の吸収とリーフのねじれを逃がしてサスペンションストロークを稼いでいる。

アクスルバンパー(バンプストッパー)
サスペンションが縮み側にフルストロークした際に、アクスルがフレームにぶつからないよう、またショックアブソーバーが底付しないよう、ラバー製のアクスルバンパー(バンプストッパー)が装着されている。フロントのアクスルバンパーは縮み側のストロークを最大限に活かせるよう、アクスルバンパー高が45mmと短く設定され、バンパーの容量を補うためにラバー製のストッパーがアクスルバンパー後部に追加されている。

ショックアブソーバー
油圧筒形複動式のショックアブソーバーは、サスペンションのストロークに合わせた200mmのストロークを有する。またショックアブソーバーは、悪路でのヒットによる破損を避けるため、アクスル後方に装着されている。なおレイアウトスペースに余裕のあるリアでは、ショックアブソーバーを不整地でのサスペンションストローク方向に沿わせたハの字形に配置している。

スロープ台にJ55を乗せる(前後)

スロープ台
ホイールトラベルを計測するスロープ台にJ55を乗せると、ショートホイールベースながらかなり上部まで登ることができる。このスロープ台では、単にサスペンションのストロークのみならず、フレームやボディーの柔軟性も結果として現れる。J55は泥濘地に対してプアーなタイヤであることを除けば、このストローク量を見る限りオフロードでの悪路走破性の高さを知ることができる。

スロープ台にJ55を乗せる(左側面)

スロープ台にJ55を乗せる(右側面)



フロントサスペンション
仕様 スプリング 懸架方式 リーフスプリング式車軸懸架
ストレートスパン mm
980
枚数 6
幅×厚さ mm
60×6.0(No.1リーフ〜No.4リーフ)
60×5.0(No.5リーフ〜No.6リーフ)
キャンバー(無負荷時) mm
90
バネ定数 N/mm{kgf/mm}
47.5{4.85}
ショックアブソーバー 型式 油圧筒形複動式
最大長 mm
508
最縮長 mm
308
ストローク mm
200

減衰力
(0.3m/sec時)

伸び側 N{kgf}
1,209{105}
圧縮側 N{kgf}
706{72.0}


リアサスペンション
仕様 スプリング 懸架方式 リーフスプリング式車軸懸架
ストレートスパン mm
1,169
枚数 6
幅×厚さ mm
70×6.0
キャンバー(無負荷時) mm
110.0
ばね定数 N/mm{kgf/mm}
35.4{3.61}
ショックアブソーバー 型式 油圧筒形複動式
最大長 mm
508
最縮長 mm
308
ストローク mm
200

減衰力
(0.3m/sec時)

伸び側 N{kgf}
1,569{160}
圧縮側 N{kgf}
618{63}



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